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スプリアス測定

2019年9月16日 (月)

小冊子「アマチュア局 スプリアス発射の強度の許容値」

スプリアス発射の技術基準に関してアマチュア局に適用される内容をまとめた公的資料がないので作成した。

理解が進んでゐないやうなので今回は無償公開とした。

 http://www.hide-radio.com/eng_articles.html

Ama_spur_cvr Ama_spur_cnts

2018年9月29日 (土)

50MHz帯スプリアス技術基準 USと日本の差

エレクラフト社KX3の保証認定が50MHz帯で否認されるといふ話が見える。
空中線電力が8Wの場合アメリカの技術基準は日本より5dB大きくなり日本より緩い。この点をJARDは懸念してゐると考へられる。

アメリカのアマチュア50MHz帯の技術基準をCFR47から読んで日本の基準と比較してみよう。

まづ日本の技術基準 
 

基本周波数帯

 
 

空中線電力

 
 

帯域外領域におけるスプリアス発射の強度の許容値

 
 

スプリアス領域における不要発射の強度の許容値

 
 

30MHzを超え54MHz以下

 
 

50Wを超えるもの

 
 

1mW以下であり、かつ、基本周波数の平均電力より60dB低い値

 
 

50μW以下又は基本周波数の搬送波電力より70dB低い値

 
 

1Wを超え50W以下

 
 

基本周波数の搬送波電力より60dB低い値

 
 

1W以下

 
 

100μW以下

 
 

50μW以下

 

次にアメリカの技術基準
根拠法令

Subpart D-Technical Standards

 97.307   Emission standards.
(e) The mean power of any spurious emission from a station transmitter or external RF power amplifier transmitting on a frequency between 30-225 MHz must be at least 60 dB below the mean power of the fundamental. For a transmitter having a mean power of 25 W or less, the mean power of any spurious emission supplied to the antenna transmission line must not exceed 25 µW and must be at least 40 dB below the mean power of the fundamental emission, but need not be reduced below the power of 10 µW. A transmitter built before April 15, 1977, or first marketed before January 1, 1978, is exempt from this requirement.
30-225MHzの場合
  • 減衰比は60dB以上でなければならない(一般原則)
  • 空中線電力25W以下の場合、25uW以下かつ減衰比40dB以上でなければならない但し10uW未満に減衰させる必要はない
  • 過去の無線機についての免除規定
アメリカではアマチュア無線について帯域外領域の測定は免除となつてゐる。スプリアス領域だけである。

エレクラフトKX3の50M帯の送信電力は定格8Wなのでこの場合に適用される基準は以下のやうになる。
  • 日本 基本周波数の搬送波電力より60dB低い値
  • アメリカ 25uW以下かつ減衰比40dB以上でなければならない但し10uW未満に減衰させる必要はない
具体的に数値を計算すると、8W(39dBm)より40dB低い値は-1dBm(794uW)となり25uWを超えるので25uW(-16dBm)まで低減させなくてはならない。減衰比は
39 - (-16) = 55 (dB)
となる。この値は日本より5dB小さく、許容値としては5dB大きい。
この点をJARDは懸念してゐると考へられる。

2017年11月 8日 (水)

アマチュア無線用送信機キット 購入時の留意点

 キットを組み立てる自作とは、製造業でいへば工場の製造作業を自分ですることだ。キットの仕様を決めたり、それに基づいて回路設計をするわけではない。キットの性能はキットの設計者に依存することだ。どんなに高い技能を用ゐてキットを組み立ててもキット設計者が想定した性能を再現するに過ぎない。 

 そこでの問題は、キットの仕様が自分の要求仕様に合致してゐるかである。設計者の想定した仕様が自分の要求仕様を満たしてゐるか判断しなくてはならない。送信機キットを組み立てたもので無線設備の許可を取る場合、キットの性能が日本の技術基準を満たすのか確認することが必要になる。販売者の呈示する仕様書や実測データからそれを判断することにならう。

 測定の意思がなくTSSで保証認定を受ける場合でも最低それだけのことはしたい。一方JARDは自作品の保証認定について実測データを求めてゐる。しかし販売者が種種の実測データを公開し、統計的なデータを開示してゐるなら、当該機種について測定が免除される可能性もあるだらう。

2017年11月 6日 (月)

ヤエスFT-290mk2 A1Aモードスプリアス不合格

当方が所蔵する八重洲「144MHz帯オールモードポータブルトランシーバー」
FT-290mk2はCWモードの帯域外領域スプリアスが大きく、現行技術基準に合格しない。
色々と対策に試行錯誤したがうまく行かない。この機種はH34年まで使ひ続け、後に撤去すると決めた。

JARDはこの機種を「スプリアス確認保証可能」とした。しかし私の個体は実測すると合格しなかつた。
私のものは製造番号が6J03なのでS61(1986)年8月の第3ロット製品らしい。何か所か手直しが見られるので、後に製造されたものは改善されてゐるかも知れない。

では以下に問題を記さう。

  1. サイドトーン信号の振動によるAM変調
    800Hz附近に大きな信号が出てゐた。外部スピーカーを接続し内蔵スピーカーを無効にするとレベルが激減した。
    内蔵スピーカーの振動を受け高誘電率のコンデンサーが信号を発し、振幅変調が掛かってゐると判断した。下図はボリュームを絞りきつた状態の測定でスプリアスは約-50dBcである。

    144060_cw_near_cntr

    この対策としてIC-502A同様サイドトーン機能を無効にした。しかしこれでは済まなかつた。

  2. 2.5kHzと800HzのAM成分
    サイドトーン信号による振動変調を取り除いてもまだ800Hzと2.5kHz附近にスプリアスが残存してゐた。

    144r06m_a1a_obsp10k

    これがどうにも下がらない。
    どうやらフロントパネル側にあるCPU基板とコントロール基板で発生するノイズのやうだ。検討から、筐体の蓋を外しておくとスプリアスのレベルが低下することが分かつてゐる。蓋を外すと何とか合格するレベルまで下がるが蓋をすると駄目なのだ。

    CPU基板と
    コントロール基板はグラウンドが大きく取られてゐない。ここから発する低周波のロジックノイズがアナログ系の電源や制御線に混入し振幅変調が掛つてゐると推測される。しかし動作を確認するには組み戻した形態に戻さねばならず、分解、組み戻しが煩瑣であるため諦めることにした。

QCX: 5W CW transceiver kit のスプリアス

QRP Labsが販売するトランシーバーキット「5W CW transceiver kit」が話題のやうだ。QCXはQRP Labs CW Xcvrの略称。

説明の末尾にWA4MZSが測定した7M版のスプリアス記録が出てゐる。これはRigolのDSA815で測定したものとみられる。

帯域外領域に大きなスプリアスは見られず充分なC/Nである。一方スプリアス領域では2倍高調波のレベルが-48.7dBとなつてゐる。出力が4.0Wとのことなので、日本の技術基準50uW以下に対して0.3dB超過となり不合格となる。USでは-43dBが技術基準であるのでかういふことが起る。

出力を落とせばこのスプリアス特性でも合格となる。出力を落とさない場合はLPFの設計変更が必要になる。

只組み立てるだけでは済みさうもない、スプリアス性能的には境界上のキットである。

2017年8月 3日 (木)

スプリアス測定にかかる費用

 スプリアス規定変更前から免許を受けてゐた無線機のスプリアス特性を測定した。その結果合格してゐたので総通に届書を先日送付した。

 自分で測定したので現金支出はないが、自分に依頼されたらいくらになるのか点検してみた。測定したのは4台。測定するモードを省略せず律儀に全て測定した。

  1. IC-502A
    50-CS
    測定点数2点 5400円
  2. IC-706
    1.9-C/3.5-CSA/3.8-CSA/7-CSA/10-C/14-CSA/18-CSA/21-CSA
    24-CSA/28-CSAF/50-CSAF/144-CSAF
    測定点数35点 16200円
  3. C-450
    430-F
    測定点数1点 5400円
  4. IC-750
    1.9-C/3.5-CSA/3.8-CSA/7-CSA/10-C/14-CSA/18-CSA/21-CSA
    24-CSA/28-CSAF
    測定点数27点 13500円

 合計金額は40500円となる。結構な金額になるものだ。HF機やHF/VHF/UHF機は測定点数が多いので致し方ない。

 この4機種のうち3機種はJARDのスプリアス確認保証の対象機種である。対象機種ならばそれで手続するのが安価に済むのは言ふまでもない。私は測定機材を持つてゐるから、練習がてら自分で測定したまでである。

 測定点数を減らす理由が付けば測定費用は安くなる。例へばAモードの測定値はBモードの値以下になる根拠を示してAモードの測定を省略することなどだ。

 データを具に比較したわけではないが自分の機材を測定した印象では

  • FMは振幅変調系のモードと別回路になるので省略しない方が良い
  • SSBの測定はCWまたはAMで代表できるかも知れない

と感じてゐる。

 自作機の設計中に性能確認したい場合はCWモードを代表とし測定を行つても良いだらう。それなら1バンド1測定となるので依頼する測定点数が少なく済む。

2017年3月29日 (水)

IC-502Aのスプリアス

私のIC-502Aは、先日の記事に書いた改造を行ひスプリアス試験に合格した。但第2、第4高調波のレベルに余裕がない。整備しないと不合格になる個体が多いかも知れない。

JA0IAA氏の記事にもあるが筐体の嵌合状態により
第2高調波のレベルに変化があるやうだ。また筐体内の導体配置によつても変化するやうで、後付けしたセミブレークイン回路を撤去したのはそのためである。

試験は50.5MHz 1波にて。A1A時の送信電力を35.0dBmに調整し、第2高調波-61.3dB。

Ic502a_2_50r5m_a1a_nrh300m

※この画面の測定の後ゼロスパン測定を行ひ値を確定させたので、マーカーリストの値は暫定値である。

関連記事
ICOM IC-502A 帯域外領域スプリアス2
ICOM IC-502A 帯域外領域スプリアス

2017年3月23日 (木)

ICOM IC-502A 帯域外領域スプリアス2

ICOM IC-502A 帯域外領域スプリアス の続き。

サイドトーン発振器によるAMを取り除く簡単な方法を実験した。サイドトーン発振器の利用を諦めて停止させる。

Ic502a_50r50m_a1a_obsp10k

左が本来の状態、右がサイドトーン発振器を停止させたときの状態である。これなら帯域外領域で合格する。

改造は単純で、サイドトーン発振器Q7のエミッタがKey端子に接続されてゐるのを切断する。

サイドトーン発振器は送信機系統図に現れない部分なので、この改造による総通への申請は不要だと考へる。

2017年3月15日 (水)

RJX-601のスプリアス

松下RJX-601のスプリアスを測定した。52MHz1波の試験だつたがスプリアス領域で不合格となつた。

50M帯域内にスプリアス信号が発生してゐるのだ。通信帯域であるためフィルターで減衰されることなく出力される。

RJX-601は送信IFが21MHz、VFOが39MHzから43MHzの周波数構成となつてゐる。送信のミキサーにDBM ICを使はずJFET1石である。

Rjx601_tx_freq_strct

今回問題となつたのは

VFO*3-21M*2
21M*4-VFO

のスプリアスである。いづれのスプリアスも通信周波数が52.5MHZで通信周波数と一致し、その附近では-60dBcを満たさなかつた。

Rjx601_spur_freq

次の画像は50、51、52、53、54MHzで送信したときのスペクトラム。通信帯域近辺に現れるスプリアスは大きくなる。

Copy20170227_0

RJX-601のスプリアス試験合格はかなり難しさうだ。

TS-120Vのスプリアス

TS-120Vのスプリアスを測定した。今回の個体は合格したが、厳しかつた箇所が二つある。取説の送信機系統図を参考に検討した。

  • 7MHz A1A出力時のIF成分抜け
    IF周波数8.83MHzがミキサーから抜けてくる。7MHzに近いためフィルターの減衰量に余裕がないやうだ。
  • 28M出力時の+IFスプリアス
    8.83MHz上の37MHz帯の信号。これはミキサーに供給されるLO信号がミキサーから抜けてきたもの。これも28MHz帯に近いため減衰量に余裕がなく出力される。

TS-120Vは個体によつては不合格の可能性がある。