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2020年12月

2020年12月23日 (水)

八重洲FT-100(D)送信スプリアス調査

 ヤエスFT-100(D)はJARDにより「機器単体で新スプリアス規格適合機器として保証が出来ない機器」とされてゐる。この機種1台について送信スプリアスを測定したところ16測定点で不合格となつた。HF帯スプリアス領域の不要発射の強度は舊(旧)基準40dBの減衰比を満たしてゐるものの50dBには至らない測定点がある。430M帯では60dB未満のスプリアスも観測された。特に対策が困難であるのはVUHF帯A1A信号の帯域外領域である。52MHzでは50M帯アマチュア帯域内に基準を超えるスプリアスが発生する。3.8M帯J3E信号は音声信号による変調成分が広がり、信号近傍のスプリアス領域で基準を超える。外付機器による対策ができないか困難なものがあるため、FT-100を現行基準に合格させるには相当の手間が掛かる。

  • 試験点数
     1.9M帯から430M帯まで電波型式ごと51点について試験を行つた。A1A信号の測定はキーイングせず連続送信状態で行つた。各帯域を指定周波数の1点にて測定する豫定であつたが、広帯域の50M帯、430M帯は不合格の項目があつたため一部を除き測定周波数を上中下に拡大して測定した。
    Ft100_msmt_table
  • 試験個体製造番号
     0N16****
    本個体は50W機である。

  • 不合格箇所
     51測定点の内16点で不合格となつた。不合格の測定点を下表の赤印に示す。
    Ft100_msmt_result_table

     不合格要因を集約すると下記の通り。
    Ft100_msmt_summary
    5番に類似する事象として「RJX-601のスプリアス」を挙げる。
  • 不合格状況
    • VUHF帯A1Aモード帯域外領域
      A023_1_435m_a1a_obsp2k5s

      435MHz A1A
      信号帯域外領域 スパン2.5kHz
       
      搬送波近傍の位相雑音が大きく60dB以上の減衰比が得られない。
    • SSB変調成分の広がりA023_1_3r8m_j3e_nrhs
      3.8MHz J3E
      信号 帯域外領域の上端からfc+250kHzまで
       測定帯域下端に見られる強い雑音は変調による。この後チャンネルパワー測定を行ひ10kHz当りの値を測定するが不合格。
    • その他要注意周波数
      A023_1_3r8m_a1a_nrh30ms
      3.8MHz A1A信号 fc+250kHzから30MHzまで
       
      搬送波の+310kHzにスプリアスがあり基準値すれすれ。

2020年12月 8日 (火)

アイコムIC-706 Sメーター較正

 アイコムIC-706のSメーターを較正した。S1当りのレベルはS5以上で2または3dB程度と大きくない。S9以上は公称10dBの段階に対してばらつきがあつた。変化特性は観測した帯域では揃つてをり、144M帯のみ絶対値が下に約10dB移動してゐた。

Ic706_smeter_1
IC-706 Sメーター表示

 

 仕様周波数帯の内5帯域について測定を行つた。アンテナ端子にSGを接続し、Sメーターが触れない信号強度から始めて1dB単位でレベルを上げた。Sメーターのセグメントが安定に点灯したレベルを記録した。ここで記録されるのはSメーターセグメントの下限レベルになる。

  Ic706_smeter

Ic706_smeter_tbl1Ic706_smeter_tbl2

  SメーターS1当りレベルの一般的な話はIC-706に適用できないことがわかつた。一般的にHF帯は6dB、VUHF帯では3dBなどとされてゐる。しかしIC-706では50M帯と144M帯の特性づけがHF帯と同じと考へられる。

 S1当りの変化はS9以下で3から1dB程度と小さくなつてゐる。S1からS9迄レベル差は13dB程度しかなくSメーターの振れは軽い。S9以上では公称10dBに対し6から13dBとばらついた特性となつてゐた。

2020年12月 5日 (土)

ヤエスFT-100(D) Sメーター較正

 ヤエスFT-100(D)のSメーターを較正した。S1当りのレベルは均一ではなかつた。S8以下では変化が小さく、S8からS9にかけて変化が大きくなつてゐた。S9以上の範囲も20dB毎に揃つてゐない。変化特性は50M帯と144M帯は異なつてゐたが430M帯と他の帯域は絶対値が異なるもののほぼ同じであつた。

Img_0944_1_20201205130101
FT-100(D) Sメーター表示

 仕様周波数帯の内6帯域について測定を行つた。アンテナ端子にSGを接続し、Sメーターが触れない信号強度から始めて1dB単位でレベルを上げた。Sメーターのセグメントが安定に点灯したレベルを記録した。ここで記録されるのはSメーターセグメントの下限レベルになる。
Ft100_smeter

Ft100_smeter_tbl1

 Ft100_smeter_tbl2

 SメーターS1当りレベルの一般的な話はFT-100に適用できないことがわかつた。一般的にHF帯は6dB、VUHF帯では3dBとされてゐる。しかしFT-100では、430M帯の変化特性がHF帯のものと同じことからHF帯とVUHF帯の特性づけが異なつてゐるとは見えない。また直線性も良くない。S1からS5は殆ど変化がなく、S9附近で変化が大きくなり、S8からS9では3dBや6dBではなく10dB以上の変化率となつてゐる。

2020年12月 2日 (水)

ヤエスFT-100(D) IFフィルター設定

 ヤエスFT-100(D)はIFフィルターの設定を誤ると受信、送信できなくなる。未実装のフィルターを指定した場合信号をその経路を通すやうに制御するため信号が切断されるからである。オプションIFフィルターの実装状況に合はせて設定を確認する必要がある。

Img_0942_1

 この現象はAMモードのみで送信信号が出てこない不具合を端緒に認識した。搬送波はCWモード出力の約-70dBと非常に小さかつた。受信時のフィルター帯域幅は「6.0」と「2.4」が選択可能であつたが「6.0」にすると受信信号が消えた。信号経路の切断が疑はれた。

 この個体はFT-100DであるためCW500Hzフィルターが標準実装され、AM6kHzフィルターは未実装であつた。この場合AM受信時に6kHzのフィルターは選択できないはずであるが上述の通り「6.0」が選択可能になつてゐた。以上から設定の誤りが疑はれた。

 AMフィルターの設定は設定メニュー32番にありこれが誤つてゐた。

32 AM/CW-N FILT: 6.0

となつてゐた。AMフィルターが未実装の場合

32 AM/CW-N FILT: oFF

とする必要がある。このため送受信信号を未実装のフィルター経路に通す設定になつてゐた。信号経路は切断される。

 FT-100(D)でAMモードだけ送信信号が出てこない現象は故障ではなかつた。IFフィルターの設定が誤つてゐるとこの現象が発生する。フィルターの実装状態と設定を一致させておくことが重要である。

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